千葉産業保健総合支援センター
メンタルヘルス促進員
近藤健義様

千葉産業保健総合支援センター メンタルヘルス対策促進員の近藤健義様にインタビューしました。ときわ園は、メンタルヘルス支援の面で近藤先生にお世話になっています。(広報誌 TOKIWA 2024 SUMMER vol.216より)

自分を大事にしながら、どう相手を援助できるか

― 最初に、千葉産業保健総合支援センターの業務内容をお知らせいただけますか。
主に千葉県内の民間事業者を対象に、職場のメンタルヘルスに係る課題の解決に向けた支援活動として、産業保健にまつわる情報提供に加え、各種制度や体制の整備、階層別教育研修の講義などを行っております。

研修中の近藤先生

― 近藤様がメンタルヘルスの分野に関わるようになられたのはどうしてですか。
前職(営業会社)にて、部下の突然の休職がきっかけとなりました。主治医の診断では「PTSDとうつ病の併発」。複雑な家庭環境を有し、身寄りも頼れない状況であったため、当時、上司であった私がろくな知識もないまま、事あるごとに付添人として自宅や病院に送り迎えをする日々が半年に渡り続きました。古本屋に出向いては関連する書籍を読みあさり、どのようなサポートが必要なのか?適切な声掛けは?薬の効果や副作用は?症状の特徴は?調べだしたらきりがなく、長年の実務経験を乗り越えてきた自負があった私でしたが、日頃上司などと偉そうに振舞っておきながら目の前の大事な仲間1人が予期せぬ苦しみにさらされた途端、何の手助けも出来ないはがゆさや無力感にただただ打ちひしがれることとなったのです。これからの時代は管理職たるもの、部下の気持ちに寄り添う姿勢や心構えがとにかく必要だと感じ、まずはカウンセリングの技術を真剣に学んでみたいとの思いに至りました。

リラクセーションの実践

― 近藤様はこのお仕事を選ばれてどんな点がよかったと思われますか。
心に負担を抱えた方のカウンセリング面談も担当しておりますが、「話が出来てスッキリできた」「相談できてよかった」など、感謝の言葉をかけていただけたときに何事にも代えがたいやりがいを感じています。人にはそれぞれ異なる人生があり、そこにはご本人にしか分からない複雑な感情や葛藤が日常に織り込まれながらゆっくりと積み重なっていくものでもあると身に染みて感じています。この先にご縁を頂く皆様方の大切なお話にも、「決して分かったつもりにならない」ことを肝に銘じつつ、常に謙虚な姿勢で耳を傾け続けていきたいと考えております。

― ときわ園の魅力をお聞かせください。
豊かな自然に囲まれた素敵な環境と、その中でお勤めになられる皆様方のホスピタリティ精神溢れる心持ちではないでしょうか。施設にお邪魔する度に、数々の目配り・気配り・心配りに触れる機会をいただいております。

― ときわ園には今後どんなことを期待しますか。
お勤めになられる皆様方の団結力をもって、これまで通り、利用者様やそのご家族の皆様方の安心と安全、そして笑顔をこの先も守り続けて頂きたいと思います。
福祉の世界に携わる対人援助職の方の多くは、時に自分を後回しにしてでも相手を優先してしまいがちです。お一人お一人の「志」を大切に、「自分を大事にしながら、その中でどう相手を援助できるか」といった考え方を忘れずにして頂きたいと思います。

近藤様、この度はインタビューに応じてくださりありがとうございました。