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理事長 三枝俊夫

 新年を迎え、皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
 今年は4月末で平成の時代が終わることになっています。平成という元号には、「国の内外、天地とも平和が達成される」という意味があるそうです。平成の30年間を振り返ってみますと、「平成」の意に反して日本を含む世界各地でテロ事件が起き、大地震や水害などの自然災害が多発しました。また、SARSや新型インフルエンザ、エボラ出血熱など感染症も世界各地で発生し、感染症が全国的、世界的に大流行したり、爆発的に広まるパンデミックという言葉も使われるようになりました。更に日本では、バブル経済の崩壊による不況が続き、リストラという言葉が一般的になり、終身雇用の考え方が大きく崩れました。人口が減少に転じたことも大きなショックでした。平和がもたらされるというよりは、何か大切なものを失ってきた時代という感じがしております。
 しかし、良いこともありました。例えば、災害の増加によって、災害支援の経験を積むことができ、ボランティア活動が根付いたことはすばらしい進歩だったと思います。また、私が個人的に評価している点の一つとして、東京都の石原慎太郎元知事がディーゼル車の排気ガス規制を行なったことです。これにより、東京都や千葉県を含む近隣の地域の空気が格段にきれいになったと感じております。これは小さなことのように思えますが、小さな努力を積み重ねていくことで大きな結果を生み出すことができる一例と言えます。早いスピードで技術革新が進んでいる中で、次の新しい時代が科学技術の進歩によって医療・介護などの面で人間に益がもたらされる時代となることを期待したいと思います。
 新しい時代がスタートする今年一年が、皆様にとりまして幸多き年になることを願っております。