特別養護老人ホームときわ園です。本日は、最近あったお話です。

特別養護老人ホームとは日常生活に常時介護が必要で、自宅では介護が困難な要介護者が入所する施設です。」とご紹介しています通り、利用者様によっては身の回りのことをすべて介助する必要のある方が多くおられます。それぞれの利用者様に適した「安心して暮らせる施設」を提供できるよう職員は日々取り組んでいます。

ある日のことです。
食事をお口に運ぶことが必要な入居者様のおひとりが、食事中に手を伸ばしておられました。ベテランの介護職員はその動きを妨げず、ご様子を見守っていました。よくよく見ていくと、ご本人様用に用意していたカップを取りたいとご希望されていることがわかりました。介護職員はその希望をくみ取り、中身をこぼさないようにお持ちいただく介助をしました。お持ちいただいて再び様子を伺ったところ、カップを持った手をお口に運ぼうとされました。しかしご本人様の身体の状態などから、そのまま召し上がることが難しいため、反対の手で匙を持っていただきました。すると、とても上手に匙でカップの中身を掬い取り、口に運んでおられました。念のためもう一度申し上げますと、普段は職員が、食事をお口に運んでいく介助を行っている方です。
この様子に、見守っていたベテラン介護職員は大喜び。フロアに設置されているタブレット端末を使い、ご様子を撮影していました。これは単純な記念撮影というわけではなく、各職種がご様子を映像媒体で見ることにより、より良い介護ができるようにするための情報となります。とはいえ、召し上がるご様子に大喜びしている職員の声も撮れましたが。

このお話のご利用者様は、いつもそのような動きができるとは限らないご様子ではあります。ですが、このフロアの介護職員だけでなく、施設栄養士もその情報を確認しました。ご本人様のお気持ちを大切にし、負担を少なくかつ召し上がりやすい環境づくりを提供できるよう、各職種が検討していくこととなりました。

ときわ園では、こういったケースにも日々職員間で情報共有を行い、よりよい時間が過ごせるように支援しています。