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施設長 田中敬三

ときわ園では、施設における微笑ましい光景やエピソードを見聞きしたときに書いて報告してもらう「ぐっジョブ!レポート」(Good Job=良い仕事・よくやったの意味)というものがあります。
昨年のことですが、ある朝デイサービスの利用者をお迎えに行ったとき、奥様が「今日は私の誕生日、でも主人はもう覚えていないんです」とおっしゃったそうです。それを聞いた職員が、その日施設で過ごされた利用者に「○○さん、今日は奥様に手紙を書いてみましょう!」とお勧めしたところ、奥様のお名前をご本人に伝えると名前も思い出され、ちゃんと漢字で記して「いつもありがとう。これからもよろしく!」とお手紙に書かれました。デイサービスを終えて帰宅されたときに、奥様はその手紙を見て、とてもうれしかったとのことでした。
これは介護現場における日常の微笑ましい出来事のほんの一例ですが、福祉施設においてもドラマチックなことがそうそう生じるものではありません。むしろ貴重な介護の仕事も、通常は人知れず行われていたり、毎日変わりばえのしない地味で忍耐の求められるケアが繰り返されていることでしょう。
しかし、些細なことでも日常の1コマを切り取ってみると微笑ましい出来事やエピソードがいろいろとあるものです。現場の介護職員は、利用者の皆さんの毎日の小さな喜びや幸せなどちょっとした変化も見逃さないようにして、それを励みにしています。
これからも「Good(ぐっ) Job(ジョブ)=良い仕事」また「良くやった」と言っていただけるように、心温まる1コマを見逃すことがないよう利用者に寄り添って良い仕事をしていけるようにと願っています。