理事長 三枝弘朋

令和2年7月豪雨で被災された方々に対して心からお見舞い申し上げます。

コロナウイルス感染が収まらない中、災害に見舞われた地域の方々は本当に大変な思いをしておられると思います。一日も早い復興を心から願っております。

最近、名古屋大学の竹内研時准教授などの研究グループが、介護を受けていない高齢者1万4000人余りを3年間追跡し、日常生活で声を出して笑う頻度と、その後の介護の必要性との関連について分析したというニュースが報道されました。ほとんど笑わない高齢者は、ほぼ毎日笑う高齢者に比べて、要介護2以上の介護が必要になるリスクが1.4倍高くなっていたという研究結果が出たそうです。笑いが健康に良い影響を及ぼすということは以前から知られていましたが、このような研究は世界で初めてとのことです。まさに、「喜びにあふれた心は良い薬になる」という昔の格言の通りです。竹内准教授は、「介護が必要になるリスクを下げるために、高齢者には好きなことを見つけて笑う機会をもってもらいたいし、国や自治体には、高齢者が自然と笑いがこぼれるような環境作りに取り組んでもらいたい」と話しておられます。

感染症や災害が続いて、ニュースを見るだけでも気が滅入ってしまい、とても笑えるような状況ではないと感じるかもしれませんが、それが続いてしまいますと、負の連鎖になり、健康にも悪影響があるということですので、考えさせられます。

コロナウイルスの影響で人とのつながり、コミュニケーションが疎遠になりがちですが、例えば、オンラインシステムを活用するなどして感染予防を図りつつ工夫して、気の合う仲間や家族と会話をしたり、一緒に好きなことを行ったりして笑うことができるかもしれません。また、最近はペットを飼う人が増えているようですが、ステイホームの時間が増える中で、ペットのユーモラスなしぐさから癒やしや笑いをもらえるからかもしれません。いずれにしても、自分にとって健全な好きなことを見つけて声を出して笑う機会を作っていきたいと感じます。

とかく気持ちが沈みがちになる毎日ですが、ときわ園でも利用者の皆さんが笑うことができる環境を作って、介護予防に努めて参りたいと思います。