施設長 田中敬三

最近では、感染防止のためソーシャルディスタンスが呼びかけられてマーケットのレジでも間隔を空けて並んでいます。しかし、高齢者の介護施設においては「できることと、できないこと」があります。感染防止のためにできることは何でも行いたいと思いますが「できないこと」は細心の注意を払って利用者と職員の健康と命を守るようにしています。

できないこと:介護現場においては仕事の性質上、職員と利用者はソーシャルディスタンスを保つことができません。また、介護の仕事は自宅でのテレワークができないのです。食事介助や移乗介助など、利用者に触れずに介助することができないため、いわば毎日“濃厚接触”をしていることになります。それゆえに手指の消毒やマスク着用など細心の注意を払って感染しないように徹底しています。

このような状況の中、利用者のご家族や以前に入所しておられた方のご家族などが、ときわ園のために手作りのマスクをたくさん寄贈してくださいました。本当にありがたく、皆様からの心温まる貴重な贈り物に本当に感謝しています。

  

寄贈されたマスクの一部

できること:館内では、いわゆる「3密」(密閉・密集・密接)を避けて、職員食堂なども対面しないように距離を置いたり、テーブルについ立を立てたりして3密にならないように工夫をしています。

 食堂のテーブルに仕切りを設置

また、それまで毎日20名以上が食堂に集まって朝礼を行っていましたが、4月からは感染防止のため「密」を避けてzoomによるオンラインでの朝礼を行うようにしました。施設内の各部署とオンラインで行う、いわゆる「テレビ会議」です。テレビ番組でもゲストがスタジオではなく自宅から出演したりしていますが、同様にときわ園内の会議や外部とのやり取りを、オンラインのテレビ会議で行っています。さらには、利用者とご家族の面会もオンラインでの面会を取り決めて行うようにして喜ばれています。

 zoomによる毎朝の朝礼

 家族とのオンライン面会

これからの対応:コロナウィルスとの戦いはいつまで続くのでしょうか。長期化し、「ニューノーマル(新しい常態)」時代に対応していかなければならないかもしれません。世界保健機関(WHO)は「コロナウィルスと共存する覚悟が必要だ」との考えを示しています。
一方で、こうした中でも高齢者介護の必要性は大きく、新たに入所したいと希望される方もおられます。これからもときわ園では、できる最善のことを最大限行って、地域社会の皆様のお役に立てるよう安全・安心の介護を提供していきたいと思っています。