理事長 三枝弘朋
最近は、この広報誌で災害の話題に触れることが多くなりました。
昨年の千葉県における台風被害が完全に復興していない中で、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延という新たな災害が発生してしまいました。医療現場でリスクを抱えつつ日々奮闘しておられる医療従事者の方々には心から感謝を申し上げます。
自然災害が発生しますと助け合いの精神を示し合い、人との絆や結びつきを強め、被害を受けた方々に寄り添う努力が払われます。しかし、新型コロナウイルスは、人との接触を避け、距離を取らなければならず、他の人に寄り添うことを阻害するという点で本当にやっかいな新しい災害と言えます。被害に遭った人を助けたくても近づけないというのはとても歯がゆい気持ちがします。
ときわ園では現在ご家族の面会を控えていただいており、入所者の皆様には寂しい思いをさせてしまっていることを大変心苦しく感じております。そのような状況を少しでも解消するために、テレビ会議システムやインターネットを活用して入所されている方とご家族がオンラインで面会できる取り決めを設けましたのでぜひご利用ください。
これから何が起こるか分からない状況で、できる限り考え得る備えをするのは賢明なことだと言えますが、自粛ムードの中で生活していると気分が後ろ向きになりがちです。昔の賢人が述べた、「次の日のことを決して心配してはなりません。次の日は次の日で心配する事があります。その日の問題は、その日だけで十分です。」という言葉を読んだことがあります。確かに、明日のことを思い煩っても人にできることには限界があり、自分では状況を変えられないことが多いですから、明日起きるかもしれないことを過度に心配するより毎日の課題や問題に真摯に向き合いつつ、前向きな気持ちを持ち続けることが大切だと感じます。
利用者の皆様にはまだしばらくご不便をおかけしてしまうことが予想されますが、まずは職員が前向きな気持ちをもって皆様が少しでも喜びをもちつつ心豊かにお過ごしいただけるよう努力して参りたいと思います。また、引き続き皆様に安心してご利用いただけるよう職員の健康管理、手洗いと手指消毒及び施設内の消毒の徹底等衛生管理に一層の注意を払って参りますので、皆様のご理解とご支援の程よろしくお願い申し上げます。