「気持ちいいー」と感嘆の声が上がります。私はその声に介助者としての喜びを感じました。普段から快の反応の少ないご利用者の声だったからでもあります。

施設高齢者がお風呂に入るのは簡単ではありません。身体が動かないからではなく、その日その日で体調の変化が起こりやすく調子の悪い日は入浴ができません。だからこそ、この一回の入浴が最高の喜びになります。

今年の2月から半年をかけ入浴介助方法の見直しと改善を行いました。誰が介助をしても同様に安全安心で、計画的であり、心地よい入浴を目標としました。バイタルチェックや入浴中の見守りを強化し、週2回の入浴日を月木・火金・水土と均等にしました。今まで自分の入浴日を把握できていなかったご利用者から、「私のお風呂は水土ね」と聞かれるようになり入浴を拒否されることが減りました。

湯を張った機械浴槽

三大介護といわれる『食事・排泄・入浴』は介助を要さない人々にとってはごく当たり前の行動ですが、文頭の「気持ちいいー」との言葉を聞いて、入浴の価値を大きく感じることができました。

本館1階 徳田聡史介護職員寄稿
広報誌TOKIWA-vol208-2022autumnより