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施設長 田中敬三

 あと1ヶ月足らずで平成の時代が終わります。新しい元号は4月1日に公表される予定ですが、どのようなものになるのでしょうか。あと2週間もすると新元号が知らされますが、書類や用紙、コンピューターなど調整をすることが必要な分野では大忙しのようです。
 巷では最近いろいろなイベントや物事で「平成最後の・・」という言い回しをしばしば耳にするようになりました。二度とない平成の最後の時期を惜しむかのようでもありますが、私たちは時代が移り変わる生き証人ともいうべき時の流れの中にいます。
 明治最後の生まれの人は現在107歳ですから、さすがにときわ園には明治生まれの方はいらっしゃいませんが、100歳の方が2人おられ大正生まれです。それらの高齢者は大正・昭和・平成の時代を生き抜いてきて、さらに新しい時代に入ろうとしているわけです。戦争や様々なことを経験してまさに激動の人生を駆け抜けてこられたと言えるでしょう。
 ときわ園が設立されたのは昭和58年ですので平成の時代の31年間すべてと共に歩んできました。措置の時代から介護保険制度への変化も経験し、ユニット型の新型特養を増築しデイサービスも開設しました。居宅介護支援事業所「はるいろ」もできました。これから新しい元号と共にどんな時代を迎え歩んでゆくのでしょうか。平成は様々な災害が生じたものの「平成は戦争のない時代(※)」であったと天皇陛下が言われていました。これから迎える新しい時代が、“猛烈な時代”を生き抜いてきた高齢者にとって少しでも安らいでいただけるときわ園であるようにと願っています。

(※) 明治=日清・日露戦争、大正=第1次世界大戦、昭和=第2次世界大戦(太平洋戦争)がありました。